新型コロナウイルス騒ぎで舞台公演の自粛要請が発表されてから、はや三ヶ月が経とうとしています。

昨年、還暦記念公演で全国各地を廻っていたのが、遠い過去のことのように思えるから不思議です。
どの劇場もガラ〜ンとしていて、舞台人にとってこれほど辛いことはございません。でも、同時に「我々芸人は世の中の余剰の中で生かせてもらってるんや」ということを痛感した三ヶ月でもありました。あらためて命の尊さを国民みんなが知ったのです。人間が生きて行くための根本は第一次産業（農林水産業）を大切にすること。自給率が30%の我が国において、このままの状態で皆が幸せに暮らせるはずはありません。

コメ一粒、釘一本もよう作れん我々が、傲慢になって言いたい放題言うてたら恥ずかしいな‥と思った次第。さまざまな分野で「原点回帰」を考えさせられる世の中になりました。

幸いにして、大阪府知事の吉村洋文さんが日本政府を牽引するような勢いで自粛要請解除後の指針を打ち出されました。ほんの僅かながら「人が幸せに感じる暮らしのお手伝いができるかもしれないな」と思い始めたところです。

６月１日(月)、大阪・西成の「動楽亭昼席」を再開します！　もちろん、公衆衛生をしっかり考えた上での開催です。万が一、再び感染が拡大したら閉じる場合もございます。お客様同士の間隔が密にならないよう細心の注意を払います。が、それでは採算が合いません。そこで、動楽亭の夜席でリモート（遠隔）のお客様を交えての落語会を開催することに致しました。

デジタルコンテンツに詳しい桂弥太郎くんをリーダーに据えての試みです。詳しくは弊社ホームページの「お知らせ」などをご覧下さい！

新しい時代の到来———。

前例にとらわれない方策で、次代に「魂」を伝える所存です。